なぜぼくが家入一真を応援するのか?

政治に興味はなかった
都知事選がはじまり、突然ぼくのフェイスブックTwitterが政治色を増してきたので「あいつ、どうしたのだろう?」「結婚できなくておかしくなったのか?」と心配する方もいるかと思ったので、ここで一発ブログを書いておく。生来のノンポリ。選挙にもまったく感心もない自分がなぜ突如家入一真を全力で応援することを決めたのかを、この選挙期間真っただ中でフラフラになっている自分のためにも書いておきたい。

そもそも選挙とぼくとはまったく縁もゆかりもない関係であった。ぼくの選挙に対する雑感を一言でいえば「年齢も資産も人脈も『上』の方々のお祭り」と冷ややかなもの。ご縁のないところに感心がいかないのは致し方ない物で、これまでも若者系とされる三宅洋平山本太郎の選挙もどちらかというと感心がなかった。というのは候補者と「自分には関係がない」(深く掘り下げれば政治と自分は必ず関係あるのだがお会いしたことがなかった)と思っていたからで、実際に立候補者のパフォーマンスに引き込まれて「この人に決めよう!」なんて思ったことはいままでに一度もなく、日本を良くしたいと心の奥底で思っていても、それは決して形にならない物だとやや諦めていたところがあったのかもしれない。大体選挙投票にいって、薄っぺらいポスターや新聞に書かれているわずかの選挙公報で党や顔や政策だけで票を入れるなんてできるわけがないのだ。だが、それを強要する選挙に行くとイライラしてしまう。単純にいえば候補者の顔がまったく見えないなか、誰に票を投じるということが、自分に正直なだけになかなかできなかったのである。 

そこに突如彗星のごとく現れたのが家入さんだ。

 

家入一真が出馬した!

家入さんとは数年前仕事で知り合ってから、旅先でふらりと出会う不思議な「縁」のある人だ。昨年は阿波踊りでバッタリ出会って連日飲み、その後ぼくのバーニングマン旅行に突然参加してくれ砂漠で1週間暮らすなど、濃密な日々を共に過ごした。

バーニングマン2013に行ってきた(前編) - 草彅洋平(東京ピストル) | HOUYHNHNM(フイナム)

ぼくは家入さんのクレージーな魅力にひかれて仲良くなったといえるので(彼からするとぼくが一番クレイジーらしいが…)、お互い、とてもゆるい関係だ。

そんな家入さんが年末にTwitterで出馬を匂わした。だが12月30日にたまたま飲んだときは「出ない」とぼくに答えていたのである。で、すっかり出ないものだと思っていたら1月18日になって、下記のようなLINEがきた。突然、立候補するという。

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とはいえ23日からの選挙だ。果たして間に合うのかな、と思っていたところ、返信したのに連絡がなく(いつものこと)、これは出ないだろうと思っていたところ、いきなりヒミツの会議に呼ばれて正式に立候補することを知った。これが21日。まったくの寝耳に水であった。

 

慌ててつくった
その場にはさまざまな選挙に詳しい方々が集まっていて、選挙童貞のぼくにはプロたちの議論がとても面白かった。が、ぼくと家入さんはクリエイティブ以外勝手がわかっていないので、さまざまなことを勝手に自分の立場から喋ってしまう。選挙も起業もwebサービスも同一のものかのように。そうした異色な接触の末生まれたのが今回の「クラウドファウンディング型選挙」である。
元ネタは高木新平が、語学留学先のセブ島から家入さんの身を案じて送ってくれた、アツいメールの一文だ。

 

とにかく公式サイトには、家入さんが都民に押し付ける情報などほぼ要らなくて、みんなの声だけがカオスに集まっていればいい。そのカオスこそが東京の良さで、それ自体がもりあがれば、または新鮮であればそれで成功だと思うんですよね。

 

彼のコメントは家入さんのことを理解しつつ、新しい選挙の方向性を示唆していたと思う。そう、これまでの選挙は「上」から押し付ける言葉「マニフェスト」で政治家自身が右往左往していたが、ネットを使ってぼくらで作っていく「全員」の選挙はこれまでに存在しなかった。それに学生でも社長でも誰の話でも聞くという、家入さんらしい方法論である。これを選挙の骨子にしてサイトを作ることを即座に決めてしまった。

本選挙のクリエイティブディレクターになったぼくは、家入さんに連れてこられて同席していたプログラマーhnnhnくんとタッグを組んで、すぐにサイト構築をはじめてデザインを開始した。告示まで2日もないのであくまでティザー的なサイトを作るよりない。ぼくらはほぼ徹夜進行で作業をすすめなければならない。もちろんポスターもつくる必要がある。全体のコンセプトとシステムを決めて、紙とwebが連動する形にするにはどうしたらよいか、SNS連動とからめて、馴れない公職選挙法に抵触しないように一つづつ確認を取りながら時間のない中で考えた。なにせこれまで選挙ポスターひとつ作ったことはないのだ。ポスターの掲示箇所が14,000箇所あるのもはじめて知ったし、雨天に強いように特殊なコーティングされているのも、裏面がステッカーになっているのもなるほどだと思うことばかり。デザインは東京ピストルの星野くん、入社したばかりの菅濱さん、9pの吉田くんがぼくの要望に対応してくれた。誰もがどうなるのか分からないまま、ひた走った。もちろん、告示前のこともあり、ここまでぼくに選挙に参加しているという意識はまったくない。単に制作のプロとして、突貫で普通なら逃げ出す仕事を友人のために手助けしているという印象だ。


選挙に思いがけず感動する
こうして今日ギリギリで公開されたのがこちらのwebサイトだ。


家入一真(いえいりかずま)東京都知事選立候補者

 

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このサイトはまだまだ未完成だが、ひとまず当初のぼくらのイメージは形にできた。Twitter / Search - #ぼくらの政策 のハッシュタグでつぶやくことによってネットをやっている誰もが(未成年者以外)政策を投稿できる。これまでの大上段から攻める政策ではない、新しいぼくらの選挙の方法を提案したわけだ。
これが今日、ネット上でとても話題を呼んだ。
例えばこんな風に。

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この思わぬ大反響に、ぼくは初めて選挙に対して感動を覚えた。

「あ、なんだ。みんなぼくと同じだったんだ」と魂がふるえた。例えば選挙にいかない若者に対してメディアは「しらけ世代」などと言葉でくくるが、それも旧世代の「上」からの言葉にすぎない。本来は「居場所」をつくらなかっただけにすぎない、ということをこの #ぼくらの政策 はリアルに表現している。そして家入さんが作った「居場所」に多くの人が衝撃と感動を覚えているのだ。ネットの向こうには、都政や選挙にアツい気持ちを持った人たちが大勢いたのだ。ネットとはいえ、これが現実であり、リアルである。

自分の作っているクリエイティブで本当に世の中が変わるかもしれない。そうクリエイターが思ってしまうことは、ある意味プロレスラーの四角いリングの魔力みたいなもので、危ない領域に足を踏み入れたということだ。この選挙方法は政治史上もっとも効率的で画期的かもしれない。というかこんなムーブメントをいとも簡単に作れてしまう家入さんは本当にすごい人かもしれない! この人なら東京都を任せても面白いだろうな、と心から思ってしまった。あたらしいアイデアはとにかく面白いものである。作り終わって改めて気づいたのだが、ぼくらがつくったもの。それは選挙に対する、ぼくらの「居場所」だったのだ。その点を気づいてすぐに指摘した茂木健一郎さんはやはり鋭い。恐ろしい人だと思いました。

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クリエイティブについて

選挙コンサルの人と話していたら、通常選挙で一番困るのは「良いデザイナー」が見つからないことなのだという。今回ぼくがこの現場によかったと思えるのは自分のスキルが思う存分活かせるところだ。編集者として、アートディレクターとして、両面できる人はこの業界にもあまり少ないので、これまで培った能力を縦横無尽に発揮できる。
通常なら政治家に意見を聴き、側近が考えたことを形にする人を探し、そこから制作会社を探し、編集者が文字を作り、デザイナーに発注するのだと思われる(知らないから違ったらすまんね)。
だがぼくらは家入さんもwebの知識が相当あり、hnnhnくんも話せばすでに作品を見たことがあったほどの良いクリエイターだし、ぼくは仕事がマジでできる(キリッ)から、聞いたらすぐに動いて形作ってしまう。他陣営に比べ出遅れたにも関わらず、圧倒的にアイデアと質とスピードが違うのだ。

例えばhnnhnくんは、webをつくっているときに今回の選挙のポイントはネット選ということで、面白い提案をしてくれた(*こちらはブログ公開後、hnnhnくんのTwitterでMaltine Recordsのtomadoくんのアイデアが元ネタだと知りました。補足しておきます)。すべての制作物にCCライセンスを入れようというのである。

 

今回のwebなのですが、クリエイティブ・コモンズで出してしまったらかなり面白いのではないかという話があり、 クリエイティブ・コモンズの創始者であるローレンス・レッシグ氏が日本でもそこそこ有名な法学者であることと、最新の著書のタイトルが「Republic, Lost (政治の腐敗)」となっていて、政治の領域にも入ってきています。

 

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CCライセンスは即座に入れることに決めた。といってもプリントされては違反になってしまうので、その点を明記した上での掲載である。

 

都知事選、ネットでも選挙戦 CCライセンスで画像配布する候補者も - ITmedia ニュース

 

こちらは入れたことによって多くの人にお褒め頂き、ITmediaは記事にまでしてくれた。CCライセンス導入は恐らく日本の選挙戦で初といえるだろう。こうした試みを実験できたのも面白いところだ。
話は逸れるが、さまざまな候補のサイトやデザインを参考に見て、どうして「オシャンティーじゃないだろう?」「センスないんだろう?」と、その旧体然としたクリエイティブに愕然とすることが今回は多かった。この領域、アイデア次第でもっと面白くなる世界である。ぼくは自衛隊の戦車のロゴからアイドルまで、さまざまなクリエイティブをやっていながら、選挙や政治に絡んだ仕事は一度もやったことがなかったが、こんなにも面白いものだったとは予想外であった。クリエイターはもっと選挙に関わった方がいいと思う。それにはそもそも行政や政治家が既存の代理店や業者に発注するのではなく、センスのほとばしるクリエイティブ会社に仕事を振るべきなんだったんだけどね…

とにかく家入さんのように「面白いことならなんでもやろう!」と理解ある候補者の下で自分のセンスとノリで仕事をするのは非常に素晴らしい。久しぶりに仕事を楽しんでいる自分がいる。


というわけで、ボランティアを集めたFacebook家入一真を支援する会」などまでに、ぼくがコメントしてしまうほどにのめりこんでいます。
ぼくのブログを呼んで少しでも家入さんに感心を持ったら、是非ともこちらに参加して頂きたい。
これから2週間ちょっと。
素晴らしいいチームのみんなと、全力で面白いものを作り続け、東京と世の中を変えて行きたいと、思わぬ欲が出てきた自分を発見しました。

最後にぼくの「居場所」を思わぬ形で作ってくれた家入さんに心からお礼を!

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【超速報】家入一真氏の都知事選出馬記者会見を全文書き起こし「選挙や政治をうまくハッキングしたい」 | ログミー[o_O]