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GANORIとロッチ

最近バイラルメディアのパクリ合戦を遠目に見ていて、「netgeekとBUZZNEWSのパクリ論争がどっちも擁護できなくてとっても不毛だ」といった印象を受けつつも、パチものといえば「ロッチ」を思い出してしまうそんな世代の僕です。

さて、僕はGANORIというグラノーラ屋さんをやっております。
こちら9月1日(日)よりビーミング ライフストア byビームスとのコラボレーション企画「NICE MORNING with GRANOLA」の開催も近づいて参りまして、目下自分が編集者なのかクリエイターなのか飲食プロデューサーなのか分からないくらい快進撃中です(ビームスさん、ありがとうございます!)


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そんな忙しい最中、先日、社員から驚きのメッセをもらいました。

「社長! 楽天にGANORIが売ってますよ!!」

「な、なんだってー」

 

楽天=ダサイ(ステマメールうぜえ)と常日頃思っているので、ブランディングにぬかりなく、楽天ではGANORIを販売せず、BASEで通販している我々。だが教えてもらったサイトを見ると、確かにGANORIが売られているではありませんか!?

「本当に売られている…」

 

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ん!?

…が、ガリノ…

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弊社ホームページから勝手に画像を流用するのもどうかと思うのですが、そこにはGANORI(ガノリ)ではなく、GARINO(ガリノ)としっかり書かれていました。

これはGANORIのパチもんの誕生なのでしょうか? ちょっとロッチを思い出させてくれます。

ハハハッ…いやあ、面白いですねえ。

 

しっかりと楽天上で販売してくれてました。

 

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こちらはきちんとGANORIと書かれていますね!

良かったパチもんが出たのじゃなかった…って胸をなでおろしている場合じゃないよ!! 
な、なんで楽天でGANORIが売ってるの!?

そうです。ついにGANORIにも転売ヤーが現れたのです。

BASEだと1300円で買える商品がさりげなく楽天上ではプラス644円されています。

まるで妖怪ウォッチですね。ありがとうございます!

 

 

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販売元は愛知県の会社で中村里子さんですね。
うーん、中村さんとは今後直接ご相談させて頂きますね(ニッコリ)。

 

みなさん、GANORIは販売店舗BASEの通販サイトで正規の値段で購入できます。

こちらを何卒ご利用くださいませ。

しかし日々忙しいのにこんなアホなことに時間とられるのバカバカしいなあ…

(トホホ)

 

 

 

 

 

 

 

 

不可思議/wonderboyのドキュメンタリー映画発表について

昨夜、渋谷パルコ2.5Dで「POETRY FES 2014」が開催され、イベントの最後に不可思議/wonderboyのドキュメンタリー映画の発表が突如されました。公開日は12月中旬。監督は関和亮

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関監督の名前が発表された際に、会場に静かなどよめきが起こりました。というのもPerfume好き、あーちゃん好きの不可思議/wonderboyにとって、PerfumeのPVを長年撮っている関和亮との組み合わせは、ファンからしてもなんともいえない因縁を感じるものがあったからでしょう。こちらまだ運営元がドタバタしてプレスリリースが出されていないため、ネットニュースなどで大きく報道されていませんが、今後話題になっていくのは間違いありません。なんといっても関監督の初ドキュメンタリー監督作品です。期待するしかないでしょう。

 

で、実はこのドキュメンタリー映画制作の発起人というか言い出しっぺが僕なんですね… 関監督をはじめ大勢の友人知人を巻き込んだので、どうしてこの映画を撮るのか、撮らなければいけないかを、一度僕自説明する必要があるだろうと思っていました。そこで不可思議くんにならって「所信表明演説」をこのブログで書きたいと思います。

 

不可思議/wonderboyの名前は、つい先日きゃりーぱみゅぱみゅTwitterでつぶやいたことで、初めて多くの人に知られたようにも思えます。

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知らない方はこちらの映像をまずは見てください。


【PV】「Pellicule」by 不可思議/wonderboy - YouTube

 きゃりーが悲しいというのは、彼がすでに4年前に不慮の事故で亡くなってしまっているからですね。享年24歳。彼は自分のことをポエトリーラッパーと名乗っていました。詩は不可思議くん自らによるものです。

 

まず最初に不可思議/wonderboyを僕に教えてくれたのは友人の本山敬一くんでした。彼とは文学や映画、音楽などの趣味の相性がバッチシで、いつも定期的に情報交換するのですが、昨年の春に飲んでいたときに「このラッパーがヤバい!」と不可思議くんを激推ししてくれたんです。その時の僕は、曲を聴いても正直そのストレートすぎるリリックとパフォーマンスが若気の至り的に思えて、ちっとも理解ができませんでした。

「痛々しいラッパー」

不可思議くんの第一印象です。本山くんは「彼は死んで完成したんだよ!そんなラッパーなかなかいないんだけどね…」と残念そうに話してくれたのをよく覚えています。

 

その日ガッカリさせた本山くんには申し訳ないのですが、数日経つとなんだか彼のラップが無性に聴きたくなりました。これはなんだろう? 20代後半にTHA BLUE HERBに熱狂した感覚に似た「なにか」です。動画を検索すると新宿路上ライブの映像がありました。


【路上LIVE】「Pellicule」by 不可思議/wonderboy - YouTube

6人のお客さんを前に凄まじいパフォーマンス。大声で「いつか絶対売れてやるんで! いつか絶対売れてやるんで! この路上ライブのことを自慢してください!!」と6人に向かって叫ぶきわどい姿は生の執着にも似ていて、なぜこんな人が死んでしまったのだろうと、強く疑問に思うと同時に興味を覚えました。

そして谷川俊太郎の詩を歌にした「生きる」の映像を見ました。これは文学好きの僕にガッツリ刺さりました。長年詩に親しんできましたが、高田渡友川かずきばりに詩と音楽が初めてうまく融合しているように思えました。「生きているということ」と連呼しながら「死んでいる」という摩訶不思議なこの事実は何なんでしょうね? 聴いていると涙が出ました。これは間違いなく“文学”なんだな、と思いました。不可思議くんをヒップホップとして聴くと「痛い人」になりますが、「文学」として聴くとしっくりきたんですね。

 

【LIVE】生きる by 不可思議/wonderboy - YouTube

 

なんでこんな生きたいと言っている人が死んでしまったのだろう? 最初はそんな素朴な疑問から夢中になって聴きました。

「死後の世界には興味がない」(「火の鳥」)

「死ぬ気でやれば生は輝く」(「火の鳥」)

「今までの人生で一度でも自信を持って何かを成し遂げたことがあるだろうか?」(「暗闇が欲しい」)

リリックも生の輝きに満ちあふれています。これがまた彼が死んでいることで不思議な余韻を耳に残します。でも途中から彼の生き様こそが素晴らしいとも気づきました。聴いているうちに他のラッパーと不可思議くんのパフォーマンスがまったく違う、「覚悟」が違うことが分かってきました。だから文字通り必死に、死をもって歌い上げている。そんな文学者的な側面に魅かれていきました。

 

僕は世間的には会社経営者みたいな位置づけですが、本来は文学好きであり編集者です。文学のために何かしたいと日々思っているので、日本近代文学館にBUNDANを作ったもしました。そんな両方の気質から、不可思議くんの全貌を理解したときに、彼のことは丁寧に記録を残しておく必要があると感じました。というか生前の彼を知らない僕からすると、素直に“知りたい”訳です。なんだか不可思議くんが未だに生きているような気がしてならないのは、おそらく僕が生前の活躍している頃の姿を知らずにyoutubeで存在を見知ったからでしょうね。それでもし過去の映像があるのなら、まとめてみたいと思うようになりました。

よく死んだ人を題材に作品を作ろうとすると死者をもてあそぶな的な指摘をする人がいますが、不可思議くんは日本の音楽史の中に、いや文学史の中にきっちり残す必要はあるように思いました。その必要性があるのにされていないのであれば、これは僕の仕事(ビジネスの意味ではなく)ではないかと思った部分もあります。

決意してから日々の忙しさにかまけて1年ほど経ちましたが、少しずつ協力してくれる方々が集まり、以前から不可思議くんを好きだった関監督とLOW HIGH WHO?プロダクションのレーベルオーナーであるparanerlさんに了解を頂きました。こうして現在の制作体制が固まり、昨夜のドキュメンタリー映画制作の発表に至った、という訳です。

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こちらはある撮影日の光景。
写真の右から
paranerlさん、関監督、コピー周りを書いてもらっている高木新平くん、プロデューサーの草彅洋平です。その他にも多くのボランティアのメンバーでこのプロジェクトは進んでいます。有志で集まった手弁当の映画製作現場ですね。

だからこそ不可思議/wonderboyが好きな人、好きになってくれた人は是非とも何らかのご協力をお願いしたいです。この映画は不可思議/wonderboyを蘇らせる映画なのですが、それには不可思議/wonderboyを好きな人がたくさん必要なのです。そんな仲間たちで新たな物語を作りたいと考えています。という訳で興味を覚えた方はメッセージを待っています!

デザイナー26人に聞いた「ひらめくカフェ」

すごい雨ですねえ。
さて、オシャレクリエイティブ業界に身を置く立場として、さまざまな取材を頓着なく受けていますが、ある日会社のinfo宛に取材依頼がきました。

 

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初めてご連絡差し上げます。

FOOD&DESIGN POST編集部と申します。

 

フードカルチャーをデザインの視点で追う

Webマガジン『FOOD&DESIGN POST(フード&デザインポスト』

にて、特集記事へのご協力をお願いしたくご連絡致しました。

突然のメール、大変申し訳ございません。

 

【FOOD&DESIGN POST】

 http://fooddesignpost.info

 

ご協力をお願いさせていただくのは、

「アイディアがひらめくような、お気に入りのカフェ」を、

デザイナーの皆様に1か所ご紹介いただく、

アンケート形式の特集企画です。

 

ご協力いただきたい内容は下記2点です。

・添付のアンケートへのご協力

<中略>

お忙しい中、大変恐縮ですが、

企画書とアンケート内容を添付いたしましたので、

ご確認をお願いできますでしょうか。

ご参加の可否を、お聞かせいただけますと幸いでございます。

 

ぜひご検討の程、何卒よろしくお願いいたします。

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メールを頂戴するまでFOOD&DESIGN POSTを知らなかったですが、とても良いサイトですね。
でも今回のアンケート内容に思わずカッとしてしまう自分がいました。

 

「アイディアがひらめくような、お気に入りのカフェ」だと…

 

僕をよく知っている人ならこうした質問が鬼門だということが良く分かるはず。

例えば以前も「クリエイティブドリーム」というブログ記事を書いているくらい、表層的なオシャレドリーマーには虫酸が走る気質なのです。

そこで僕が答えて本日公開されたのがこちら。

 

デザイナー26人に聞いた「ひらめくカフェ」

 

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原稿を送ったら編集部からすぐにお電話頂いて、「他のアンケート回答者を中傷しているので載せられない」というお話を受けましたが、責任は全部僕が取るということで無理矢理お願いして掲載して頂きました。オシャレな誌面を作ろうとしていた編集部からするとものすごい面倒くさい人ですみませんが(僕も編集者なので制作サイドの意図が透けるほど分かる)、まあそんなカフェがこの世にあるわけないんですよ。ものづくりの世界はまじめに勉強して生きるのが一番ですね。


というわけで今回もめちゃくちゃ浮いたアンケート結果になりましたが、自分が一番長い文章書いていることに愕然としました。僕ってマジメなのね。

ちなみに僕は編集者であってデザイナーじゃないのでよろしく(ADはします)。

ご依頼とご掲載頂いたFOOD&DESIGN POSTに心から感謝☆

 

僕とAmazon

 僕はAmazonが大好きだ。本好きとして本屋の経済状況も痛いほど分かるのだが、Amazonの便利さは恐ろしすぎるくらいなので、何でもAmazonで即購入してしまっている自分がいる。お店に買い物に行ってもAmazonのサイトと値段を見比べて、やっぱりAmazonで買おうと諦めて帰ったりしているくらい、生活のなかで依存している。

 例えばここ最近では人と本や漫画の話をしている時、知らない本や漫画の名前が出ると、すぐにスマホで買ってしまう癖が身に付いた。どんな古書でも翌日には届いてチェックできるというのは、かつて古本屋巡りに明け暮れて古書免許まで取得した僕からすればすごいことだ。相手にはあまりに躊躇なく購入するので「早いですね!」と褒められる(!?)のだが、タイトルを忘れたくないから必死でやっているだけの動作にすぎない。

 まだ自分が知らない面白い本や漫画の情報を話してくれる人は貴重。超絶ありがたい。「最近何が面白い?」といった話は人との会話で僕が一番楽しい瞬間だ。自分が気づいていない素晴らしいものを知るのが人生で一番楽しいと僕は思っているから、僕はこの作業に対してお金がもったないとか面倒くさいとか一切思わない。本気でオススメしてくれる人はだれもが目がキラキラと輝いている。自分が体験した感動を伝えたいから、一生懸命なのだ。そのキラキラを僕も体験したい。だから買って読んで、教えてくれた人になるべくお礼をするようにしている。

 自分が楽しいからこそ、僕はいろいろな人に自分が知的興奮した、さまざまな面白いものを勝手に紹介してしまう癖がある。もちろん世の中には僕の話に興味のない人も興味のある人もいるだろう。オススメしたとき、相手にはいくつかのパターンがあるように思う。

 

①話を聞いているだけの人:そもそも本や映画といったものが嫌いなのかもしれない。好きとしても僕のカルチャー方面の趣味が悪いか僕と合わないと思っているのかも。だからオススメにあまり興味がないようだ。それかとてつもなく記憶力が良い人なのかもしれない(うらやましい)。


②ノートやスマホにメモをとる人:僕のオススメに興味を持ってくれているようだが半信半疑なのだろう。慎重な人だ。それともいまお金がないのかしら? メモしてもそのメモはきっと読まれないのだろう。


③その場で買う人:僕の話に興味を持ってくれているようだ。とても有り難い。だがそのあと「読んだ」という話までは発展しない。相手に「気を使わせたのかも」と反省する。

 

④その場で買って後日チェックしてくれる人:次に会った際、その内容でメチャクチャ盛り上がる。興奮冷めやらぬうちに「読みました。素晴らしかった!!」とメールをくれたり電話をくれたりするとこちらもめちゃくちゃ嬉しい。そんな人とは大体親友に。なかには残念ながら「あまり良くなかった」と返事をくれる人も。趣味は合わなかったがとても律儀な人だ。そんな人も心に残る。

 

 というわけで④の人とばかり、いつも会って過ごしている。それが僕の日常で、そういう人以外僕にとっても興味がないのだ。去年からFacebookのグループで、そうしたギークな仲間内だけで映画情報や音楽情報を回しているが、これが滅法楽しい。ものを知っている人は追求している人だと思う。だから飽くなきその探究心に敬意を払いつつ、僕もなるべく勉強しなければと自戒して毎日を過ごすのだ。

 そんなAmazonで、新しく出た荒川洋治の本『文学のことば』を買おうと思って見たら驚いた。評価が☆一つ。現代もっとも文学と詩を愛している、偉大な作者に対して、あまりにも失礼じゃないか。唖然とした(僕の先生なのもあるが客観的に見てもおかしすぎる評価だ)。どうしたんだよAmazon! こんなんじゃダメだろ!!

 

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 評者は渡辺義愛という方で「題名を裏切る内容で、この筆者には文学について語る資格がないと思った。岩波の名が泣く。」という辛辣すぎる内容。
 いやいや、それはないだろ…。『文学のことば』買って読んだけど、めっちゃすごい文学的な内容だよ。何考えているんだよこの馬鹿は、と思って他のレビュー(たった6だけど)読んだら、中村真一郎の遺作にして名著『全ての人は過ぎて行く』を大絶賛しているので読書の勘が狂っているわけでもなさそうだ(というかこの『全ての人は過ぎて行く』を最も高く評価して、世間に知らしめたのは、当時朝日新聞で書評委員だった荒川先生なんだけどね…)。

 「内容的に素晴らしく、私の恩師平岡昇先生について書いている部分はとくに、先生本人を生きているかのごとく描写している。」

 平岡昇といえばフランス文学者で安岡章太郎の親族。ということは渡辺義愛という人もフランス文学関係なのかしら、と見たら、おお、シモーヌ ヴェーユとかの翻訳者なのね。バリバリ文筆家じゃん。
 荒川洋治渡辺義愛に何をしたか知らないが、おい渡辺義愛、こういうレビューは不公平だぜ。そう義憤にかられて、いかに『文学のことば』が素晴らしい本か書こうと思ったけど、飲み会の時間が近づいてきたのでまた他日!

 ひとまず『文学のことば』を読者のみなさんに「オススメ」しておきます。 

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三軒茶屋「ONSEN」閉店のお知らせ

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みなさんにご愛顧頂きました三軒茶屋ONSENですが、僕が現状メッチャ忙しいのもあって3月30日(日)で閉店させて頂くことになりました。

(発表するのも忘れてたくらいでなんだけど…いきなりでごめんよ!!)

 

4月からは下北沢の「恋々風塵」をやっているスーパーイケメンの Nishida Rui くん(巨根!)に店舗をリニューアルして引き継いでいただきます。塁くんは僕の古くからの信用できる友人なので、変わらず僕の友達も集まるでしょう。こちらも楽しみですね。

 

さて、ONSENのオープンさせるに至った経緯は以前ブログに書きましたが、ONSENがあったからBUNDANがあり、GANORIにつながっていった訳で、人生というのは非常に面白いものです。人生に鬱屈した人に「どうしたらいいでしょうか?」と相談されたら、「精神安定剤飲むよりも借金してでも一軒何かのお店を構えた方がいいよ!」と僕は答えるでしょうね。それぐらい僕にとっても良い刺激になりました。なんでもやってみるものです。

せっかくなのでこの機会に以下、僕が飲食店から学んだことを書いておきたいと思います。ごくごく当たり前の話で、飲食のプロからすると「アホじゃないか」と思うことばかりかもしれませんが、あくまで素人の個人的な感想として書かせてください。

 

1.対外的な評価が良くなる

以前はデザイン会社経営と相手に話しても「ふーん…」といった感じでしたが、飲食店オーナーだと「え!」っと受けが良く、相手の反応が違うということに一番驚かされました(キャバクラだけではない世間の話ですよ、奥さん!)。世間はデザイン会社という存在をまったく理解できない&興味がなかったんですね、ううっ(;ω;)

東京ピストルを起業した当初、実家に帰ると、いつも母が就職情報が載っている日曜版朝日新聞を机の上にさりげなく置いていました。

「母ちゃん、俺社長なんだよ…」

彼女の目線は常に大企業の安定就職があったので、僕の会社なんぞ愚の骨頂だったのでしょう。そんな疑い深い自分の母も、店舗経営後は「洋平もようやくまともに働き出した」と態度が軟化したことにも、世間って奴はつくづくアホだと思いましたね。

 

2.さまざまな人に会う

接客業だけに多くの人に会います。僕は普段の仕事で普通の人よりたくさんの人に会っている印象なのですが、お店を開いたおかげでさらにたくさんの人に出会いました。わずか2年の間に知り合いがたくさん増えたし、ONSENやってなければ会わなかった人もたくさんいるんじゃないかと(新宿のホスト王とか)。身の回りの友人たちにもONSENがきっかけで出会って結婚した人もいたりと、さまざまなドラマがありました。

飲食店コンサルタントの知人が「友人だけで店が回らないのが常識で、1年で一般のお客さんに切り替わるよ」とアドバイスしてくれましたが、まさにその通りの状況になったのも面白いと思いました。飲食店コンサルタントって優秀なんですねえ。

 

3.具合が悪くなる

「温泉水が体にいい!」と開店当初に宣伝しましたが、あれはウソでしたね(キッパリ)。ハッキリいって僕は体悪くなりました… というか毎日あれだけ酒飲めばそりゃ具合悪くなる訳ですよ。というのも店を開いたと話す→「今度遊びにいく」と言われる→ある日「来たのだけどいないの?」と連絡が入る→わざわざ会いに行って飲む、という負のスパイラルで、毎日酒盛り。これにはタクシー代も掛かるは時間も取られるわでマイナスの方が大きかったかもしれません。結論としては酒飲みが自分の飲み屋作っちゃダメですね。そりゃそうだろう、って感じの話ですが、実際にやってみて分かったことが重要だったということで、チッ反省しています〜

 

4.食通と店の料理は比例しない

食べログ原理主義者として有名な僕だけど、ONSENの店の料理はほぼ初期からあきらめたんだよね。そうです、料理人見つけて探してくるのが一番大変でした。で、途中であきらめた。いろいろな失敗があるとすれば、このあきらめがONSENをONSENづけたといってもいいでしょうね。看板娘の女優の小園優ちゃんの後半半年の定食料理などはあきらめたことから生まれた奇跡ですよ。
毎日素晴らしい料理を出されている日本全国のお店のみなさんエラい、エラすぎる。これがどんなに大変なことか、お店を作ってよくよく理解しました。美味しい料理を毎日提供できる人材の確保、これがとにかく重要で、僕にはつくづく難しいことでした。

 

5.思いがけない事件が起こる

店を作って「こんな人三茶に住んでるんだ!」という出会いや偶然がいっぱいありました。またこんな有名人がふらりとこんな店(ONSEN)くるんだ、ってハプニングもありました。某俳優さんが酔って来てくれ女の子くどいてくれたりとか、電子音楽の神カールステン・ニコライを澤井くんが連れてきたりとか… みんな酒飲むとクズで素晴らしかったですね。

 

6.チャゲ&飛鳥とB'zに行き着いた

長年ドープな音楽好きな連中で集まってさんざんONSENで音楽聞きまくっていた訳ですが、結論としてはチャゲ&飛鳥とB'zがいかに素晴らしいか、ということで落ち着いたんですよ。あれだけテクノからエレクトロ、ヒップホップとノンジャンルで10年以上語り続けて、いまではオリンピックの演奏をチャゲ&飛鳥かB'zにやらせるべきだとも思っている我々の心境の変化と老化を心配していますが、結果そうなった訳です。こんな結論が出たのもONSENで酒飲んでたからですね。あと店内でかける音楽で人間性がよく分かりました。不可思議くんを知ったのもONSENでしたね。


7.飲食店をやるなら

石橋乱打が基本フォーマットの僕なんです。最初は目の届く範囲でやろうと小さな店舗借りてみたのですが、やってみたら大きな店舗回すのも同じだと数ヶ月で気づきます。小さくやるのも大きくやるのも、ほぼコストは一緒。そう、飲食店をやるなら大きくやらないとダメですわ。というわけで店舗増やさねばと考えて、次々と店舗を僕もつくったわけで… でも最初にそんな度胸ある人なかなかいないですよねえ。

 

というわけでONSENで酔いすぎて買ったばかりの下駄箱を踏み壊し、優ちゃんからご褒美をもらう泥酔した丸太先生の思い出映像を貼って、お別れです。
明日からバカ騒ぎがはじまるので、お別れに是非三軒茶屋にお立ちよりください(2014年3月30日で閉店となります)。


ONSEN _2012 - YouTube







なぜぼくが家入一真を応援するのか?

政治に興味はなかった
都知事選がはじまり、突然ぼくのフェイスブックTwitterが政治色を増してきたので「あいつ、どうしたのだろう?」「結婚できなくておかしくなったのか?」と心配する方もいるかと思ったので、ここで一発ブログを書いておく。生来のノンポリ。選挙にもまったく感心もない自分がなぜ突如家入一真を全力で応援することを決めたのかを、この選挙期間真っただ中でフラフラになっている自分のためにも書いておきたい。

そもそも選挙とぼくとはまったく縁もゆかりもない関係であった。ぼくの選挙に対する雑感を一言でいえば「年齢も資産も人脈も『上』の方々のお祭り」と冷ややかなもの。ご縁のないところに感心がいかないのは致し方ない物で、これまでも若者系とされる三宅洋平山本太郎の選挙もどちらかというと感心がなかった。というのは候補者と「自分には関係がない」(深く掘り下げれば政治と自分は必ず関係あるのだがお会いしたことがなかった)と思っていたからで、実際に立候補者のパフォーマンスに引き込まれて「この人に決めよう!」なんて思ったことはいままでに一度もなく、日本を良くしたいと心の奥底で思っていても、それは決して形にならない物だとやや諦めていたところがあったのかもしれない。大体選挙投票にいって、薄っぺらいポスターや新聞に書かれているわずかの選挙公報で党や顔や政策だけで票を入れるなんてできるわけがないのだ。だが、それを強要する選挙に行くとイライラしてしまう。単純にいえば候補者の顔がまったく見えないなか、誰に票を投じるということが、自分に正直なだけになかなかできなかったのである。 

そこに突如彗星のごとく現れたのが家入さんだ。

 

家入一真が出馬した!

家入さんとは数年前仕事で知り合ってから、旅先でふらりと出会う不思議な「縁」のある人だ。昨年は阿波踊りでバッタリ出会って連日飲み、その後ぼくのバーニングマン旅行に突然参加してくれ砂漠で1週間暮らすなど、濃密な日々を共に過ごした。

バーニングマン2013に行ってきた(前編) - 草彅洋平(東京ピストル) | HOUYHNHNM(フイナム)

ぼくは家入さんのクレージーな魅力にひかれて仲良くなったといえるので(彼からするとぼくが一番クレイジーらしいが…)、お互い、とてもゆるい関係だ。

そんな家入さんが年末にTwitterで出馬を匂わした。だが12月30日にたまたま飲んだときは「出ない」とぼくに答えていたのである。で、すっかり出ないものだと思っていたら1月18日になって、下記のようなLINEがきた。突然、立候補するという。

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とはいえ23日からの選挙だ。果たして間に合うのかな、と思っていたところ、返信したのに連絡がなく(いつものこと)、これは出ないだろうと思っていたところ、いきなりヒミツの会議に呼ばれて正式に立候補することを知った。これが21日。まったくの寝耳に水であった。

 

慌ててつくった
その場にはさまざまな選挙に詳しい方々が集まっていて、選挙童貞のぼくにはプロたちの議論がとても面白かった。が、ぼくと家入さんはクリエイティブ以外勝手がわかっていないので、さまざまなことを勝手に自分の立場から喋ってしまう。選挙も起業もwebサービスも同一のものかのように。そうした異色な接触の末生まれたのが今回の「クラウドファウンディング型選挙」である。
元ネタは高木新平が、語学留学先のセブ島から家入さんの身を案じて送ってくれた、アツいメールの一文だ。

 

とにかく公式サイトには、家入さんが都民に押し付ける情報などほぼ要らなくて、みんなの声だけがカオスに集まっていればいい。そのカオスこそが東京の良さで、それ自体がもりあがれば、または新鮮であればそれで成功だと思うんですよね。

 

彼のコメントは家入さんのことを理解しつつ、新しい選挙の方向性を示唆していたと思う。そう、これまでの選挙は「上」から押し付ける言葉「マニフェスト」で政治家自身が右往左往していたが、ネットを使ってぼくらで作っていく「全員」の選挙はこれまでに存在しなかった。それに学生でも社長でも誰の話でも聞くという、家入さんらしい方法論である。これを選挙の骨子にしてサイトを作ることを即座に決めてしまった。

本選挙のクリエイティブディレクターになったぼくは、家入さんに連れてこられて同席していたプログラマーhnnhnくんとタッグを組んで、すぐにサイト構築をはじめてデザインを開始した。告示まで2日もないのであくまでティザー的なサイトを作るよりない。ぼくらはほぼ徹夜進行で作業をすすめなければならない。もちろんポスターもつくる必要がある。全体のコンセプトとシステムを決めて、紙とwebが連動する形にするにはどうしたらよいか、SNS連動とからめて、馴れない公職選挙法に抵触しないように一つづつ確認を取りながら時間のない中で考えた。なにせこれまで選挙ポスターひとつ作ったことはないのだ。ポスターの掲示箇所が14,000箇所あるのもはじめて知ったし、雨天に強いように特殊なコーティングされているのも、裏面がステッカーになっているのもなるほどだと思うことばかり。デザインは東京ピストルの星野くん、入社したばかりの菅濱さん、9pの吉田くんがぼくの要望に対応してくれた。誰もがどうなるのか分からないまま、ひた走った。もちろん、告示前のこともあり、ここまでぼくに選挙に参加しているという意識はまったくない。単に制作のプロとして、突貫で普通なら逃げ出す仕事を友人のために手助けしているという印象だ。


選挙に思いがけず感動する
こうして今日ギリギリで公開されたのがこちらのwebサイトだ。


家入一真(いえいりかずま)東京都知事選立候補者

 

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このサイトはまだまだ未完成だが、ひとまず当初のぼくらのイメージは形にできた。Twitter / Search - #ぼくらの政策 のハッシュタグでつぶやくことによってネットをやっている誰もが(未成年者以外)政策を投稿できる。これまでの大上段から攻める政策ではない、新しいぼくらの選挙の方法を提案したわけだ。
これが今日、ネット上でとても話題を呼んだ。
例えばこんな風に。

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この思わぬ大反響に、ぼくは初めて選挙に対して感動を覚えた。

「あ、なんだ。みんなぼくと同じだったんだ」と魂がふるえた。例えば選挙にいかない若者に対してメディアは「しらけ世代」などと言葉でくくるが、それも旧世代の「上」からの言葉にすぎない。本来は「居場所」をつくらなかっただけにすぎない、ということをこの #ぼくらの政策 はリアルに表現している。そして家入さんが作った「居場所」に多くの人が衝撃と感動を覚えているのだ。ネットの向こうには、都政や選挙にアツい気持ちを持った人たちが大勢いたのだ。ネットとはいえ、これが現実であり、リアルである。

自分の作っているクリエイティブで本当に世の中が変わるかもしれない。そうクリエイターが思ってしまうことは、ある意味プロレスラーの四角いリングの魔力みたいなもので、危ない領域に足を踏み入れたということだ。この選挙方法は政治史上もっとも効率的で画期的かもしれない。というかこんなムーブメントをいとも簡単に作れてしまう家入さんは本当にすごい人かもしれない! この人なら東京都を任せても面白いだろうな、と心から思ってしまった。あたらしいアイデアはとにかく面白いものである。作り終わって改めて気づいたのだが、ぼくらがつくったもの。それは選挙に対する、ぼくらの「居場所」だったのだ。その点を気づいてすぐに指摘した茂木健一郎さんはやはり鋭い。恐ろしい人だと思いました。

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クリエイティブについて

選挙コンサルの人と話していたら、通常選挙で一番困るのは「良いデザイナー」が見つからないことなのだという。今回ぼくがこの現場によかったと思えるのは自分のスキルが思う存分活かせるところだ。編集者として、アートディレクターとして、両面できる人はこの業界にもあまり少ないので、これまで培った能力を縦横無尽に発揮できる。
通常なら政治家に意見を聴き、側近が考えたことを形にする人を探し、そこから制作会社を探し、編集者が文字を作り、デザイナーに発注するのだと思われる(知らないから違ったらすまんね)。
だがぼくらは家入さんもwebの知識が相当あり、hnnhnくんも話せばすでに作品を見たことがあったほどの良いクリエイターだし、ぼくは仕事がマジでできる(キリッ)から、聞いたらすぐに動いて形作ってしまう。他陣営に比べ出遅れたにも関わらず、圧倒的にアイデアと質とスピードが違うのだ。

例えばhnnhnくんは、webをつくっているときに今回の選挙のポイントはネット選ということで、面白い提案をしてくれた(*こちらはブログ公開後、hnnhnくんのTwitterでMaltine Recordsのtomadoくんのアイデアが元ネタだと知りました。補足しておきます)。すべての制作物にCCライセンスを入れようというのである。

 

今回のwebなのですが、クリエイティブ・コモンズで出してしまったらかなり面白いのではないかという話があり、 クリエイティブ・コモンズの創始者であるローレンス・レッシグ氏が日本でもそこそこ有名な法学者であることと、最新の著書のタイトルが「Republic, Lost (政治の腐敗)」となっていて、政治の領域にも入ってきています。

 

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CCライセンスは即座に入れることに決めた。といってもプリントされては違反になってしまうので、その点を明記した上での掲載である。

 

都知事選、ネットでも選挙戦 CCライセンスで画像配布する候補者も - ITmedia ニュース

 

こちらは入れたことによって多くの人にお褒め頂き、ITmediaは記事にまでしてくれた。CCライセンス導入は恐らく日本の選挙戦で初といえるだろう。こうした試みを実験できたのも面白いところだ。
話は逸れるが、さまざまな候補のサイトやデザインを参考に見て、どうして「オシャンティーじゃないだろう?」「センスないんだろう?」と、その旧体然としたクリエイティブに愕然とすることが今回は多かった。この領域、アイデア次第でもっと面白くなる世界である。ぼくは自衛隊の戦車のロゴからアイドルまで、さまざまなクリエイティブをやっていながら、選挙や政治に絡んだ仕事は一度もやったことがなかったが、こんなにも面白いものだったとは予想外であった。クリエイターはもっと選挙に関わった方がいいと思う。それにはそもそも行政や政治家が既存の代理店や業者に発注するのではなく、センスのほとばしるクリエイティブ会社に仕事を振るべきなんだったんだけどね…

とにかく家入さんのように「面白いことならなんでもやろう!」と理解ある候補者の下で自分のセンスとノリで仕事をするのは非常に素晴らしい。久しぶりに仕事を楽しんでいる自分がいる。


というわけで、ボランティアを集めたFacebook家入一真を支援する会」などまでに、ぼくがコメントしてしまうほどにのめりこんでいます。
ぼくのブログを呼んで少しでも家入さんに感心を持ったら、是非ともこちらに参加して頂きたい。
これから2週間ちょっと。
素晴らしいいチームのみんなと、全力で面白いものを作り続け、東京と世の中を変えて行きたいと、思わぬ欲が出てきた自分を発見しました。

最後にぼくの「居場所」を思わぬ形で作ってくれた家入さんに心からお礼を!

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【超速報】家入一真氏の都知事選出馬記者会見を全文書き起こし「選挙や政治をうまくハッキングしたい」 | ログミー[o_O]